【青年委員会BLOG】No.26 コロナ禍におけるグローバル人材のこれから

コロナ禍により2020年はテレワークや、自宅への宅配サービスなどが浸透し、図らずも社会のIT化が加速した1年であった。その中で中国を始めアジア各地と日本を行き来するビジネスマンはこれまでのような海外出張の機会が無くなり、日本での業務を余儀なくされている。

私自身、活発に海外出張をしていた時期がある。8年前から3年間ほど、これまでに北京、上海、香港、厦門、深セン、バンコク、ホーチミン、ハノイ、シンガポール、クアラルンプールにビジネスとして訪問し、日本の中小企業の海外展開をサポートしてきた経験がある。当時、中小企業において海外展開の担当者は花形であったと今思えば感じる。

香港島

タイムマシン経営という言葉がある。これは日本で成功したビジネスモデルをそのまま海外で同じことを実施する経営手法を指す。2012年から数年間は中小企業の海外展開は先行者利益が出やすい時期であり、海外展開を支援するコンサルが多く存在した。また実際にBtoC業種の衣料品店、飲食店を筆頭に飲食メーカーなどの業界が市場拡大を狙いガンガン海外展開を推し進めていた時期である。この時、海外にいる日本人の経営者や個人事業主は誰でもある意味では“先生”のように扱われ、先駆者として脚光を浴び、日本に一時帰国の際はセミナーの講師として引っ張りだことなったり、ビジネス雑誌にコラムを持つ者も多く現れた時期である。

KL

進出地域と日本の情報やサービスの格差はいずれ埋まる。海外進出時における現地人の情報価値は果たして今どれくらいあるのだろうか。「グローバル化」。この言葉はもはや時代遅れの考えであると思う。グローバル化は当たり前であるからだ。特別視するほうが問題である。たまに思うがなぜグローバル化や現地化、海外市場拡大というように特別視して捉えているのだろうかと思う。

コロナにより個人のITリテラシー向上や、SNSやWEB会議システムの世界的な利用環境の拡大により、個人が発信する情報価値は高まった。当協会(NPO法人東京都日本中国友好協会)では、毎月のWEBでビジネス交流会を実施し、中国・武漢在住の方から生々しい今の情報を昨年の1月から私を含め参加頂いた方は得ている。これが紛れもない答えだ。自宅でもコロナ発祥の地とされる武漢の今の状況を、日本のマスメディアよりもコンサルよりも現地の日本人の狭いコミュニティよりも、現地在住中国人のビジネス当事者から聞いているのである。新鮮な一次情報がすぐに入手できる環境だという事だ。もはや後戻りは出来ないだろうし、その必要も無い。
私自身、過去足で現地社会を回ってきた。

KL 現地ビジネスパートナー
シンガポール 現地ビジネスパートナー

ではどうすべきか。
今まで海外在住していた人材は、日本的組織をさらに高みに持っていける“知恵”を持っているはずだ。逆に無いものもある。

それは“空気”を理解する力である。

組織に身を置かなければ分からない日本企業特有の感覚だ。その空気を知らずにただ言いたいことだけを言っても何も組織に響かないし、扱いにくい人間だと判断されてしまうこともある。このバランスが非常に難しい。5年、10年も海外で働くと、その人自身が現地化してしまい、日本組織に馴染まない人材になる。

他者と協力し、歴史的に晴耕雨読の営みをこの島で生きて来た日本人しか共有できない“空気”“性善説”“暗黙知”などの抽象的な概念をしっかり見つめて体現する必要がある。この部分は、グローバルビジネス的に言うと日本の悪しき文化のような捉え方もあるが、逆に日本企業が世界中から信頼されてきた原点でもある。
メイドインジャパンの揺るぎない信頼は、高度なチームワークから生まれたという事実は認識しておくべきであろう。

海外現地の良い文化や手法を取り入れるため、臆せずに社内で積極的にコミュニケーションをするべきである。
日本に地に足をつけ、さらなる日本企業の価値向上と、世界から日本への評価を高めるために一層活躍して欲しい。

(NPO法人東京都日本中国友好協会 副理事長 永野)

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