北区日中では去る9月27日、北とぴあ研修室で「中国女性が語る万葉集の世界」と題し、講演会を開催した。講師の葉紅先生(駿河台大グローバル教育センター教授)は昭和女子大から早稲田大大学院留学時代に万葉集を専門に研究、当時、大変話題になった方。初めに自身の文革時代の苦労話、また文革後の大学受験復活第1期生であり、現在の王毅外相とは北京の第二外国語学院アジア・アフリカ語学学部日本語科で同期とのことだが、入学時に英語科を希望したにもかかわらず、日本語科に入れられたとのこと。当時はまだ、個人の自由意思で進路が決められない時代ではあったが、日本のODAにより中国のインフラが整備されたことを知り、日本が大好きになり、感謝していると話された。万葉仮名で書かれた万葉集に出会った日本留学当初は、漢字で書かれているにもかかわらず、全く意味がわからず、衝撃を受けたものの、天皇から庶民までの広い層の人たちが、日常や自然、男女の恋などを素朴な感情で歌に詠んでいることに惹かれたという。元号の令和の典拠とされる大伴旅人の観梅の宴の解説の中で万葉集では桜よりも梅の方が多く詠まれているとのこと。最後に司会から駐日大使館の参事官であった葉先生のお父様と友好交流部勤務のお母様のご尽力で王子小学校と北京第一実験小との姉妹校交流が始まり、これをきっかけに北区と北京市宣武区(現西城区)の姉妹区締結に発展したことが紹介されると聴衆から大きな拍手が講師に送られた。 |