你好,武漢! <ミニコラム 中国の今 Vol.2>
私は、2012年8月から2013年7月まで、武漢大学法学院に留学しました。今後私の中国における生活を紹介していきます。「中国」と安易に記載したものの、国土の広さ、そして人々の習慣・文化の多様性こそ、中国の特徴といえます。従って私の見た「中国」は、留学生活の大半を過ごした武漢の一部に過ぎないことを予め申し添えます。さて、今回は武漢の概要を紹介します。
武漢市は長江の中流に位置し、人口約1,000万人を抱える湖北省の省都です。市内の中心を長江と漢江の2つの河が流れ、それら河により街は武昌、漢口、漢陽の三地域に分かれます。各地名を取り「武漢」になりました。その歴史は殷代(3,500年前)まで遡ることができます。近代では辛亥革命の起きた場所として知られます。気候は夏の最高気温が40度を超える等非常に暑く、南京、重慶と並び「中国三大火鍋」といわれます。産業は鉄鋼業、自動車産業等が盛んです。美食、名所旧跡は別途紹介します。
私の周囲の中国人に武漢の印象を尋ねると大半は「桜」と回答します。武漢大学及びその周辺は桜の名所として知られます。これら桜の由来は様々ですが、多くは日中国交正常化(1972年)の際に日本から贈られたものです。花見の季節になると、数十万人の観光客が武漢大学を訪れ、校内に人が溢れます。混雑が通学に支障をきたす様子を、ある学生はミニブログにおいて「天国より遠い教室」と嘆きました。私も同感です。
ところで武漢は留学前から土地勘のある場所でした。親族の話によると私の曾祖父は、100年程前、数年間武漢に滞在していたそうです。曾祖父の足跡を追って私は過去に2回武漢を旅しました。こうした背景もあり、数ある都市の中から留学先が武漢になったと中国政府から通知を受けたとき、武漢との不思議な縁を感じました。今では第二の故郷となった武漢。その武漢を紹介する機会を頂き光栄に思います。
【中村 佑(武漢2012年8月〜2013年7月)】