五つの世界遺産を巡り 成都市の囲碁愛好者と交流
~~~~~五つの世界遺産を巡り
成都市の囲碁愛好者と交流~~~~~~
東京都日中友好協会は、7月3日から10日まで「東京都
囲碁愛好者訪中団」(団長・須藤誠常務副会長)を派
遣した。今回の囲碁訪中団は、棋士主将の小澤信弘七
段を含め10名の参加である。
7回目となる今回は、日中国交正常化45周年記念とし
て、成都市で囲碁愛好者との交流に加えて、五つの
世界遺産(九寨溝・黄龍(こうりゅう)・楽山大仏と
峨(が)眉山(びさん)・パンダ熊猫谷・都(と)江堰(こうえん))
を巡って絶美な四川・成都観光を楽しむという内容
で、成都市人民対外友好協会の全面的なご協力により実現
した。
待ちに待った囲碁交流は、巨大な石仏の楽山大仏、中国
三大霊山の一つの峨眉山を参観した次の日に行われた。
7月5日の朝、日本との交流がある錦江囲碁会館の入口に
掲げられた歓迎の横幕をくぐると陳心弟館長と人民対外
友好協会の揚豪さんが出迎えてくれた。館内5階の歴史
展示室を見学した後、開会に当たって、龔錦華氏(四川
省人民政府参事)は「日本は囲碁の発展の歴史に貢献し
た。成都市は囲碁の都市でもある。共に囲碁を発展させ
よう」。
蘆偉良氏(成都市人民政府外事弁公室副主任)は「囲碁
交流を深め、友情と美しい記憶を残して欲しい」。須藤
誠団長は「暖かい歓迎に感謝、囲碁を通して友好を深め
たい」と挨拶。
対局相手は、成都囲碁連合総会の強豪揃いで、対局は中国
ルール、オール互先、コミ7目半、持ち時間一人40分、2局
の対戦。結果は2勝14敗の完敗である。交流会は、3階で行
われ、陳館長の奥様の指南による料理は、目にも美しく、
食べては旨味をたんのうした。また、四川省囲碁第一人者
の軍雪林九段も参加され交流を深めた。
最後に、須藤団長から、6月24日のアバ・チベット族チャン
族自治州茂(も)県(けん)の甚大な土石流被害に対する義援金
を贈り、この秋11月に行う日中囲碁大会の訪日団参加を要請
し、お互い記念品の交換を行った。
その後、金沙(きんさ)遺跡博物館・三国志武候(ぶこう)祠(し)
の見学にあたり、成都市人民対外友好協会のご好意により日本
語通訳を付けて頂き、わかりやすく詳しい説明は、深く心に残
るものとなった。
6日は、都江堰付近にある「熊猫谷」でパンダが座って竹を食べ
るしぐさなどを見学し、400km先の九寨溝に向った。途中、畳渓
海子で白いヤク(草原の船)に遭遇、松潘(しょうばん)古城
(こじょう)を散策、車窓からは川主寺の菜の花、一面のラベンダー
畑、街の中を高速道路の橋脚が等間隔に建ち並び、工事完了3年後
は成都から九寨溝まで3時間で開通するという。
7日は九寨溝の則査(そくさ)窪(わ)溝(こう)エリアの頂上3500mの
五彩池からチベット族のお祭りが催されていた黄龍古寺を通り、
どこまでも透明で青い水をたたえ湖底に沈む樹木など渓谷内に
点在する湖や滝を廻った。諾日朗瀑布付近のレストランで昼食、
午後に日則(にっそく)溝(こう)、樹(じゅ)正溝(せいこう)エリア
を観光した。
8日は、黄龍に向かう途中、ヤクの放牧、白い雪を頂く聖山・
雪(せっ)宝(ぽう)頂(ちょ)(5588m)を眺め、ロープウェーで
黄龍の頂上まで行き、酸素缶を吸いながらの6km・4時間の
ハイキング。
黄龍で一番素晴らしい「五彩池」の景色、黄金色の土の上を
水が流れる金沙舗池などを観光。散策路の両側に高山植物の
ケシ、アツモリソウの群生を見ながら下山した。
9日は、岷(みん)江(こう)の中流部に位置し、秦の時代(BC
221~BC206)に築造された水利施設である都江堰を見学した。
午後3時、二回目の対局となる四川江口醇囲棋倶楽部に到着す
ると吴戦影校長、楊豪さんをはじめ大勢の子供たちの歓迎を
受けた。対局相手は、当初子供たちの予定が各校の指導教師
に変わり、当然のこととして全敗を期した。早々に負けた
団員は囲碁授業の見学や小学生を相手に対局するなど和やか
な交流が行われた。改めて中国囲碁界の裾野の広さを実感した。
旅行の成否は天候によるところが大きいが、今回は天候にも
恵まれ、多くの方たちとの出会いに花を添えてくれた。素晴
らしい囲碁訪中であった。