日本における中国語学習の普及と質の向上、および日中両国国民の相互理解と友情に寄与することを目的として始まったスピーチコンテストは、今年で38回目を迎えました。
昨年は台風で中止となったたため、二年ぶりの開催。本大会はコロナ禍での開催となり、参加者の皆さまには多大なご不便をお掛けいたしました。人数制限や検温・消毒など感染対策をした上での開催となりましたが、日頃の学習成果を発揮する場を提供できたことは、大変意義深いことだったと考えております。
日時・会場 | 2020年10月25日(日)・渋谷区リフレッシュ氷川 |
スケジュール 参加人数 |
第一部 朗読の部〈課題文制〉10:00~12:00 中学生・高校生の部: 8名 大学生・大学院生の部: 15名(申込17名) 一般の部: 2名 計: 25名 第二部 弁論の部〈自作原稿〉13:00~15:00 中学生・高校生の部: 1名 大学生・大学院生の部: 4名 一般の部: 4名 計: 9名 |
審査委員 | 審査委員長:楊達先生(早稲田大学文学学術院教授) 審査委員:張蕾先生(日中学院専任講師) 審査委員:泉谷陽子先生(フェリス女学院大学 国際交流学部国際交流学科准教授) |
主催 | NPO法人東京都日中友好協会 渋谷区日中友好協会 |
後援 | 中国大使館、北京市人民対外友好協会 |
協賛 | 株式会社新橋亭、亜東書店、東方書店、北京語言大学東京校 |
第一部 朗読の部
課題文を正確かつ流暢に発音し、正しいイントネーションで読めるかを競う「朗読の部」。マイクの前にシールドがあったりと、重々しい雰囲気の中で始まった朗読の部。そんな緊張した雰囲気も、発表者の大きな声で吹き飛びました。
熱がこもった発表の数々に、審査員の方々も真剣な面持ちで、審査にあたっていました。
<課題文>各部門の課題文はこちら
第二部 弁論の部
自作した原稿を朗読・質疑応答を行う「弁論の部」。発音・イントネーションの正確さ、表現力、内容、また、質疑応答の質によって競われました。
発表の内容は、中国との出会いや、中国語の学習などについての内容が多く、発表者それぞれの中国に対する想いが伝わってくる内容ばかりでした。先生方からの質問にも堂々と答えている方が多く、レベルの高い発表となりました。
審査委員の先生方から、下記のような感想・今後の学習の注意点についてお話がありました。
第一部 朗読の部
全体的に発音がよく、参加者の皆さんの日頃の努力が伝わってきました。声を使い分け、感情豊かに発表できていました。
今後の学習においては、「母音」に注意すると良いでしょう。母音の弱さが気になり、発音が途切れ途切れになってしまっていました。”wu”や”yu”の単母音や、”chuai”などの二重母音に気をつけましょう。
また、緊張からか早口になってしまった方がいたのが残念でした。日本語にはない三声(马mǎ、走zŏuなど)や、軽声を重点的に練習すると更に良くなるでしょう。
第二部 弁論の部
十人十色の内容、感動させられる内容ばかりでした。発音だけでなく、緩急をつけて表現できているところが素晴らしかったです。
注意すべきところですが、「中国語はスポーツ」というように、中国語は非常に力を使う言語です。抑揚をつけた時に、母音、子音、破裂音に注意が行き届かなくなってしまったところが残念でした。声の大小と四声の強弱に気をつけると、更にレベルアップするでしょう。また、日中の近現代史など、歴史についても学習を深めると、中国人と長く付き合っていくことができるでしょう。
第一部 朗読の部
〜中学生・高校生の部〜
第1位(最優秀賞)佐々木 陽平(関東国際高等学校)
第2位(優秀賞)井野 さくら(実践女子学園高等学校)
第3位(努力賞)上村 悠菜(実践女子学園高等学校)
~大学生・大学院生の部〜
第1位(中国大使館賞)二宮 由佳(神田外語学院)
第2位(優秀賞)大北 さくら(大妻女子大学)
第3位(努力賞)薗部 夏未(千葉大学)
〜一般の部〜
第1位(最優秀賞)田中 朋寛
第2位(優秀賞)中村 貴寿(司法書士)
第二部 弁論の部
〜中学生・高校生の部〜
第1位(最優秀賞)内堀 可怜(雙葉高等学校)
~大学生・大学院生の部〜
第1位(東京都日本中国友好協会会長賞)宮本 芽依(昭和女子大学)
第2位(優秀賞)鷹居 知樹(早稲田大学)
第3位(努力賞)服部 大芽(創価大学)
〜一般の部〜
第1位(北京市人民対外友好協会賞)松坂 茉留(準公務員)
第2位(優秀賞)山岸 亮介(NTT東日本)
5、おわりに
各部門第1位の最優秀者は、東京都代表として全国大会(2021年1月10日(日)実施予定)に推薦いたします。
東京都日中友好協会では、今後も中国語学習の普及と質の向上、および日中相互理解の促進のために、中国語講座や各種イベントの開催などを行ってまいります。皆様のご参加をお待ちしております。
最後に、参加者の皆様におかれましては、コロナ禍の中にもかかわらず本大会にご参加いただき、誠にありがとうございました。また、後援・協賛いただきました皆様に、心より御礼申し上げます。
以上