先取り!日本人がまだ知らない!!
中国大手企業で働いている日本人に迫る!!
~ここでしか聞けない職場秘話~
外資系企業と聞いてイメージされるのは欧米系の企業が多い中、中国系の企業も外資系ということで、中国系企業で働く日本人にフォーカスしたシンポジウムを2019年5月25日東京ウィメンズプラザにて実施した。
第1回目は2018年10月27日に実施した第2弾となる。
登壇者は、株式会社中国電視国際部の羽賀美由紀氏、方正株式会社の林康弘氏、株式会社ECMSジャパンの喜岡桜氏、NTP株式会社の栗田翔太氏の4名だった。
まずそれぞれの会社と自己紹介があり、からは、中国の国営放送のCCTVの日本の番組制作会社で、1989年に設立された旨の紹介があった。社員は17人でそのうち日本人は2人とのことで、現在は中国で放送される日本のビジネスニュースの作成をしているという。
方正株式会社の林康弘氏からは、メインは新聞等のメディアのシステム開発を行っている会社で、現在は資本関係はないが、北京大学の先生が設立した北大方正集団の日本法人にあたるとのことであった。
株式会社ECMSジャパンの喜岡桜氏からは、日本の家電量販店やECサイトを顧客として、日本から中国へ商品を送る物流の会社という紹介があった。
NTP株式会社の栗田翔太氏からは、網易新聞(NETEASE NEWS)という中国のニュースサイトに配信するコンテンツ作成等を行っている旨の紹介があった。
その後、パネルディスカッションを通して、中国企業で働く中で感じたことについて話があった。
1 遠まわしに言う日本、直接ものを言う中国
中国企業は人の意見に対して、自身の意見をはっきりと伝えるという特徴がある。日本では人の意見、特に先輩や上司には意見がしにくいという雰囲気があり、会議を開いても何も決まらず次の会議に持ち越しということもあるが、中国企業ではそのようなことはないという話しだった。(喜岡桜氏)
これは日本人だからというわけではなく、日本人も中国企業に入ると、意見を言っても良いということがわかると、はっきりとものをいうようになり、強くなっていくという話だった。(林康弘氏)
2 ルールを守る日本、義理人情を優先する中国
中国ではルールを守るということよりも、義理人情を優先することが多いということだった。(林康弘氏)
ルールを守らない一方で、仲良くなったら日本人としては、ここまでしてくれるのかと驚くほど親切にしてくれるということだった。たとえば、中国に来た日本人の知り合いが宿泊先がないということを伝えたら、友だちの友だちは友だちだからということで、家に泊めてくれたというエピソードが語られた。(栗田翔太氏)
3 ワークライフバランス
残業についてはあるものの、中国だと自分の意思で長時間働いている人が多い。前向きな長時間労働で、精神的には負担の少ないものではないかという話が聞かれた。また、仕事先に友人や彼女を連れていくこともできるため、プライベートと仕事が近い関係にあるということだった。(栗田翔太氏)
日本のマスコミは寝ていないイメージがあるが、そのようなことはない。ただ、報道という特性上、遊んでいる中でもいろいろ情報が得られるので、それを仕事に生かしているということはあるということだった。(羽賀美由紀氏)
前職は日系のホワイト企業だったので、残業がないところを探していた。多少残業はあるものの、日本のように有給を取りたいといって嫌な顔をされることはなく、プライベートな時間を確保しやすいということだった。(喜岡桜氏)
4 上下関係重視の日本、直接社長に話ができる中国
中国ではwechat(中国版のLINE)を使って仕事をしていることが多い。そのため、タイムラインにプライベートの情報をアップしても社長がいいねをしたりということがあり、フラットな組織だと感じることが多いという。(羽賀美由紀氏)
上司等を通さずに直接社長に話ができる環境にあるということだった。(林康弘氏)
5 中国系企業への就職を考えている人たちへのメッセージ
会社は一つではない。中国は転職の流動性が高いので、だめなら転職をすれば良いという気持ちでのぞむのもあり。(栗田翔太氏)
中国人は気が強い、声が大きい、気を使えないといった先入観は捨てて、一人の人間として付き合うつもりで入ると良い。(喜岡桜氏)
中国企業というと良くないイメージかもしれないが、実際に自分の目で見て判断をしてほしい。(林康弘氏)
自分の思うようにはならないのが中国市場なので、変化に対応できる心づもりをしておくと良い。(羽賀美由紀氏)
パネルディスカッション終了後は、座談会、懇親会と続き、多くの人たちの高い関心を持っていることを感じられた。