【活動報告】「中国×キャリア」大学生のためのトークセッション

「中国×キャリア」大学生のためのトークセッション

先日、「【中国×キャリア】大学生のためのトークセッション」を開催しました。(こちら
有り難いことに満席のご予約をいただき、当日は50名近くの方にご参加いただきました。
パネルディスカッションや自由交流会を通して、中国や将来のキャリアについて考えるきっかけとなりましたら嬉しいです。
この記事ではパネルディスカッションの様子を一部抜粋してお伝えします。

登壇者

石塚諒平 中国大手通信会社勤務

カナダ留学中に中国人の友人と出会い中国の魅力を知る。
日本最大手の通信会社を経験後に中国トップの通信会社へ転職。


小田玲実 中国語講師

大学卒業後、中国へ2年間留学。
帰国後、大学院へ進学し環境学を研究。
現在は、大学や企業などで中国語講師を勤める。


天堀寛子 中国企業勤務

大学卒業後に就職した企業に4年間勤めた後、中国へ一年間留学へ。
途中コロナウイルスの影響により帰国の判断を迫られるが、中国に残ることを決断。
現在は上海にある中国企業に勤務。


青木健太 日本企業勤務中国駐在員

日本大手化学メーカーに勤務し、10年目で中国上海に赴任。
中国語ゼロスタートで移住し、現在駐在2年目となる。

司会・進行 認定NPO法人東京都日中友好協会青年委員会所属、大学生インターン 齋藤有沙

 

 

 現在のお仕事とその経緯について教えて下さい。

ー青木
大学は繊維学部で化学を学んでいたため、漠然と化学メーカーに就職したいと考えていました。
一つのことに縛られるのが好きでなかったので「いろんな事業をやっている+化学系メーカー」というので今の株式会社クレハを選びました。
それから今までずっといるので、それだけ自分に合っている会社だと思っています。

ー天堀
今は中国にある財務コンサルティング会社で働いています。
新卒では、ファッションに興味があったため日本のアパレルメーカーに勤務をしており、その後中国留学を経て、現在中国で2つ目の会社を経験しています。

ー小田
今は、上智大学などの大学や学校団体等で中国語講師をしています。
そもそもで言うと、私はほかの皆さんのように新卒で就活をしたことがなく、大学卒業後すぐに中国に留学に行きました
帰国後は大学院に進学し、その後内閣府の青年国際交流事業を実施・運営している国際交流団体で仕事をしていたのですが、コロナの影響で往来を伴うプログラムができなくなったので、思い切って直接学生さんと話ができる大学の先生に転職をしました。

ー石塚 
今は中国系大手通信キャリアの日本法人で働いています。業務内容としては、日本で始めた格安SIMの事業を拡販するというものです。
新卒ではNTT ドコモに入社し、日本の通信キャリアと中国の通信キャリアの両方に勤めた経歴があるので、自分としては面白い経歴になったかなと思っています。

 

 中国企業への転職について

ーー天堀さんと石塚さんが、中国企業で働くことを決めた経緯は何だったのでしょうか?

ー石塚
プライベートだけでなく仕事でも中国との関わりを持てたらと思うようになり、転職を決意しました。
ただ、中国企業だったら何でも良いと考えていたわけではなく、前職で学んだ知識や経験を活かせる中国企業がいいと思っていました
日本に進出している通信系の会社って、そう多くはないんです。なので、今の会社は必然的な選択だったと思います。

ー天堀
4年間日本企業に勤め、その後行った留学が半分くらい過ぎたあたりで、今後どうするか考えました。私は社会人で留学に行ったので、日本に帰ったらすぐに仕事を探さないといけません。その時に、自分の今の中国語能力では『私中国語使って働けます』って胸を張って言えないと思ったんです。それなら中国企業で働いて、中国人の働き方やビジネス中国語を学んで経験を積みたいと思い、中国企業への就職を決めました。

ーー転職にあたり、心配なことはありましたか?

ー石塚
外資系の会社は日本でうまく事業がいかなかった場合、撤退するリスクもあるんですよね。自分の能力に関係なく突然職なしになってしまうことを考えるとやっぱり怖かったです
ただ、これを逃すと二度と同じオファーもらえないと思い挑戦することにしました。

ー天堀
やはり初めての経験なので、中国の会社でちゃんとやっていけるのかという心配はありました。
また語学的な面でもビジネス中国語はできなかったですし、周りに日本人がいない環境でカルチャーショックがあった時とかは大丈夫なのか?とか色々な心配ごとはありましたが、挑戦したいという気持ちが大きかったので中国に残ることにしました。

 

 日本企業と中国企業の違いは何でしょうか?

ー天堀
日本企業だと直属の先輩、課長、部長というように縦の構造があり、何かあったら近い先輩に相談すると思います。
ですが中国企業の場合は何かあったら社長に直接言ったりすることが多いです。私は入社したときに『なんかあったらいつでも相談して』と社長から言われ、とても驚きました。笑
あと、中国企業には教育係的な人はいなくて、質問しない限り誰も面倒を見てくれません。積極的に自分から動く必要がありますね。

ー石塚
中国企業ってすごく個人主義なんです。
反対に、日本企業はチームプレーって感じが強く、『先輩のタスク終わってなさそうだから自分が先回りして代わりにやっておこう』といったことが一般的です。それを中国企業ですると『私の仕事取らないでよ、邪魔しに来たの?』というような反応をされます。(笑) 逆をいうと自分が困っていても周りの人が積極的に助けに来てくれることも基本的にないですね。

ー天堀
確かにそういう面がありますね。ただ、一度助けを求めたあとは自分の仕事に関係あるなしに関わらず、積極的に助けてくれます。そういうときの距離感は日本でいう他の部署との関りよりも密だと思います。

ーー日本企業と中国企業、両方で働いたことのあるお二人だから分かる違いですね。中国人と一緒にお仕事や活動をしたことのあるお二人はどうですか?

ー青木
困ったときに誰かに質問すると、中国人の方は優しくて、その問題を解決するまで必ずその人がそばにいてくれるんですよ。
そういう時に中国人の温かさというのを感じます。

ー小田
わかります。中国の方って一度信頼してくださるととても親身になってくれたり、すごく良くしてくれる印象がありますね。
逆に一度見限られると怖い気がします。日本人は仕事とプライベートを混同する方がいらっしゃいますが、中国の方はその辺はあっさりしていますね。

 

 駐在に関して

ーー青木さんは、中国語がゼロの状態で駐在に行かれたんですよね?

ー青木
はい、中国語が全くできない状態で駐在に行きました。日系企業ですので職場で使うのはほとんど日本語で、中国語ができなくても問題はないですが、駐在をするにあたって中国語はできるに越したことはないですね。
ただ現地の社員たちは日本人駐在員に中国語を学ぶよりも仕事のほうに優先的に力を注いでほしいみたいです。笑
もちろん、駐在においてはちゃんと仕事をこなすことが一番重要です。中国語ができるかどうかは駐在員を選ぶうえであまり重要にはならないと思います。

ーーそうなんですね。駐在の中で大変だったことは何ですか?

ー青木
生活に慣れることが一番大変でした。どこのお店に行くか、日用品は何が必要かなど・・幸いに妻が中国に行くことに対して積極的で、色々調べたり行動してくれていました。1人だったらもっと大変だったかもしれません。なので最初は、仕事や中国語よりも日常生活のほうがストレスが大きかったですね。

 

 中国留学について

ーー小田さんと天堀さんは、大学在学中ではなく留学に行っていらっしゃいますね。その経緯は何だったのでしょうか。

ー小田
高校生ぐらいから漠然と留学に憧れを感じていたのですが、私は理系の大学だったので中国に語学留学するツテはないと言われてしまったんです。インターネットを使っても情報が少ない時代でしたから、途方に暮れましたね。
そんな時に内閣府の交流事業を知って、日本代表青年として中国に行く機会を得ました。そこで出会った人たちから中国についての情報を教えてもらえたことによって、留学を決意することができました。

ー天堀
大学の時に留学に対する憧れを持ってはいたんですが、結局行かなかった後悔があったんです。周りの友人が結婚などを考えていく年齢になってきた時に、私はまだやり残したことをやりたいっていう思いがあり留学することにしました。
実際に行ってみると他の国からやってきた留学生は年齢もばらばらで、いろんな国・年齢の人に知り合えたっていうのが、自分の価値観を変えるきっかけになったと思います。リスクや不安はありましたが一歩踏み出してよかったなって思います。

 

パネルディスカッション後の自由交流会では、ブレイクアウトルームに分かれて直接登壇者の方とお話をしていただきました。
1時間近くお話をしていたルームも! 皆さんの積極的なご参加ありがとうございました!

東京都日中友好協会では、中国と関わりながら働く方々のインタビュー(記事はこちら)も行っています。ぜひご覧ください。

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東京都日中友好協会では、中国人との交流やボランティア活動に興味をお持ちの方、日中友好を促進したい方、中国の文化・歴史などに関心のある方などの入会を幅広く募集しています。
当協会に参加していただくと、企画やイベントへの参加、中国人との交流など、様々な活動を行えます。
また、当協会は青年委員会の活動もあり、中国に関心のある学生の方も大募集中です。
詳しくは、当協会のボームページhttps://www.jcfa-tyo.net/をご覧ください!
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認定NPO法人東京都日本中国友好協会

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