東京都日中友好協会では、2023年9月19日〜24日に78人の北京市と河北省張家口市を訪問する友好都市青年訪中団を派遣しました。
9月30日に帰国したメンバーによる報告会を実施し、実際の訪中した方々の感想を各グループごとに代表がシェアしました。
小野宏和さんからは、「中国は思っていたよりも近く、公衆衛生も良い。中国の大学生の方が自分たちよりも充実しているのではないか。次につなげていきたいと考えた。」という話がありました。
岸田紗耶さんからは、
「帰国後に考えていることとして、訪中団の縁を大切にしたい。共通の趣味のあるメンバーと出会うことができた。中国という共通の興味を持っている人と出会うことができた。中国語をもっと頑張りたい。中国人留学生が大学にいるので、彼らと交流したい。書道、通訳の勉強など、もともと頑張っていたことへのモチベーションが上がった。」といった話がありました。
齊藤蓮さんからは、
「中国に行く前のイメージとしては、日本へのあたりが厳しい。日本人へのあたりが厳しいのではないかという想いがあった。中国では、家族よりも温かいおもてなしを受けた。家族のような関係を深めることができた。
中国に対しては、せっかちだったり、衛生環境が悪い、マナーが悪いというイメージがあった。中国のスケールがわかって、中国で生活しているので、そういうライフスタイルなのではないかと納得がいった。日本に来たら日本にはマナーがあるということがわかってもらえるのではないかと思った。
共通点として、方法は違っても、どちらにもおもてなしの心があるということを感じた。日本は繊細だが、中国人はこれ食べな、あれ食べなといった、共通の方法は違っても相手のためにという気持ちがあると感じた。
自分の目で確かめることができたことが良かった。日中友好と聞くと規模の大きいものを想像するが、大事なことは一人ひとりの気持ち、変わりたいという想いがあれば変わるのではないかと思った。」
という話がありました。
永岡葵子さんからは、
「日本と異なる風景や文化を体験して、新たな選択肢を見つけることができた。衝撃をいろいろな面で受けた。一つは、中国の大学生のレベルの高さ。日本は大学入学後は勉強をしなくなる。中国は大学入学後も朝から晩まで勉強をしていて、勉強への意欲が高い。日本語も英語も堪能で、積極的で圧倒された。
文化の違いとしては、食文化の違いを取り上げたい。日本では食べられる量を注文してご飯を残すことはないが、中国では食べ切れないほどのものが出て、食べきれないことのほうが多かった。
張家口で見た北京オリンピック・パラリンピックのスローガンは「ともに未来へ」となっていた。隣人である日本はこの意味をしっかりと考えないといけないと思う。現地の人はやさしく親切だった。これを多くの人に伝えていきたい。メディアではマイナスのものもある。プラスのものより目につきやすく、記憶にも残りやすいが、現地に訪れるとやさしく、思いやりにあふれる。この想いを共有し、和を広げていきたい。
中国語が話せなくて困った。訪問先の言語を少しでも覚えておく必要性を身にしみて感じた。
こんな中国語を知っておくと便利だというフレーズを集めておくと、次の訪中団でも役に立つのではないか。初対面のメンバーが絆を深めることができて、パワーを感じた。中国語のフレーズ集があると、現地の交流で便利ではないかと思った。
参加した団員は、中国への想いが根底にはあると思うが、一週間でここまで仲良く慣れたのは、それだけではない。今回だけにしないで、今後も継続していきたいと思う。日中友好は一人では成し遂げられない。日本人同士の縁も重要になってくるのではないかと思う。
他の人がどう交流を行っているのか、さまざまな形で交流をしているということがわかった。これからもこの縁をつなげていきたい。
アンケートは感謝の言葉であふれている。みなさんにとって実りのあるものになったと確信している。」という話がありました。
西島光洋さんからは、グループ全体の目標の後、自国ブランディングについて話がありました。
「訪中前の目的は3つ。中国側から情報がどう提供されるかという自国ブランディング。日中関係を正確に理解すること。北京を知ること。を決めていた。」
「中国メディア大学、企業、新農村を訪問したが、それぞれ必ず中国共産党の展示を目にしたが、それは党の施策を忠実に実行していることを示すことが大切という話が団員からあった。日本と中国は社会制度は異なる。しかし、それが中国への嫌悪感につながるのはおかしいと思っている。社会制度をお互いに理解すること、それが中国への嫌悪感を脱却して、日中友好につながるのではないかと思っている。」という話がありました。
田中咲彩さんからは、日中関係への正確な認識として
「処理水の問題など、友好的とは言えない問題が発生しているが、日本と現地ではどう違うのかを知りたいと考えていた。実際に訪問してみると、日本のメディアで報道される反日的な部分は感じられなかった。もちろん、訪中団として訪問したからこのような状況だった可能性もあるので、他の地域にも足を運びたいという意見があった。若者がどう交流すれば良いかを考えたときに、お互いに受け入れられないところを見つけるのではなく、共通項を見つけることが大切だということで、対面のコミュニケーションを大切にすることが必要だと訪中団を通して学んだ。」という話がありました。
花沢百合香さんからは、北京を知るということで
「インフラについて、5泊6日でバスに乗って道を見ていた。道がとても広く、車がとても多い。車社会であることを感じた。現在中国では、1人あたり2台所有しているということだが、政府の政策によって、ナンバーによって走れる曜日を制限をしている。地下鉄や新幹線の普及により、インフラの便利化が進み、かつては市民が正月のときに混むのは北京の名物だったが、解消されているというのが見てわかった。
街のデザイン、川のライトアップなど、色が原色、看板がネオンだということを感じた。団員の中からは、そういった配色は、広告の観点からは、世界のグローバルスタンダードとは異なり、独特の見せ方があるという話があった。たくさんの名蹟に行ったが、故宮は政治的な権力の象徴の場所、万里の長城は防衛の拠点、それらが今では観光名所になっている。また、日本とは異なりスケールがすごい。知識ではなく、それを肌で学ぶことができた。」という話があった。
東千花さんからは、
「プログラム全体を通じて、高校生から社会人まで集まっていて、太極拳のメンバーもいて、いろいろな人の集まりだった。仲良くなれるか不安だったが、最終的には仲良くなることができて良かった。
メディアやSNSで玉石混交の情報があるが、中国に行けたことは非常にありがたいことだった。中国メディア大学の交流で、両国の関係に前向きに捉えている若者がいる。もちろん、私たちも前向きに捉えたいという想いを持っていて、そういった想いを持った人たちが出会えたのがすばらしいことだと思う。両国間のもっと交流を進めていきたいと思った。
新農村やオリンピック村や企業を訪れて、中国の発展のすごさを感じるとともに、バスから見える農村の風景を見ることで、発展の部分と発展途上の部分の光と影の部分も見られた。まだ発展途上だと考えているのは、都市部は中国は先進国に比肩しうるインフラ、技術がある、地方とは差があると思った。中国で温かいもてなしを受けて、人として中国を好きになった。また、実際の中国を知ることができた。
今後の展望としては、中国で出会えたのを大切に、大学祭で発表したり、対外的に発表するようなことができると良いと考えている。」という話がありました。
大島史織さんからは、
「中国との関係が濃い人、初めて行く人、中国語ができない人も多かった。出発前には処理水の問題もあって、センシティブなときに中国を訪れる貴重な機会だった。想像以上に中国は穏やかだった。中国は日本の実際の状況を知りたいという意識からだと思うが、中国語で今、魚を食べているかということを聞かれて、聞かれた人は衝撃を受けていた。英語が通じないということで、困難に感じたこともあったが、逆に中国語への興味が高まったという声があがった。これから中国語ができる人はSNSにとらわれず、中国の友人や現地の人と交流をすることの大切を認識する機会となった。一方、中国語ができない人も勉強をしていくなどで、言語面をクリアしていきたいという想いが芽生えた。太極拳をしているメンバーが、他のメンバーも巻き込んで盛り上げて楽しく過ごすことができた。そのような姿勢に異文化交流の鍵があると感じた。太極拳のメンバーがいることで、文化面でも交流ができて良かった。」という話がありました。
東京都日中友好協会では、青年訪中団など、日本と中国の間での交流事業を実施しています。
会員のみなさまを優先にご案内しますので、ご関心のある方はぜひお問い合わせください。