高尾山日帰りハイク報告書
高尾山は八王子市西郊にある標高599mの山である。もともと、都心から近く手軽が行楽地として人気があったが、フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」が発行している旅行ガイドブックで、「必ず見るべきところ」として三ツ星で紹介されたことから、人気に一層拍車がかかった。ミシュランガイドでは、東京都庁や明治神宮、京都や奈良の古寺群が三ツ星で紹介されているが、山で三ツ星を獲得したのは、富士山と高尾山のみ。そのため、最近、外国人の登山客や観光客が増えているという。
2013年11月17日(日)、「高尾山日帰りハイク」が開催された。昨年は(社)国際交流クリーンハイキング協会主催の「高尾山クリーンハイキング」に参加協力した形であったが、今年は都日中の単独開催となった。幅広い年齢層の30名が参加した。当日は、快晴で風も殆どなく、絶好のハイキング日和となった。集合は、朝9時30分、京王線高尾山口駅前。紅葉シーズンとあって、到着する電車からは大勢の観光客、登山客が吐き出され、駅前は大混雑の様相、無事に集合できるかと不安になったが、10時には全員揃い出発できた。
今回のコースは、上りは、びわ滝コースからびわ滝道を経由し(一部の人はケーブルカーを利用)、1号路に合流し、薬王院を経て山頂へ、下りは、吊り橋コースを通り、エコーリフトを使って下山する計画である。高尾山口駅前の海抜は200mであるから、山頂との標高差は400mとなる。まずは、不動院前のもみじ広場にて全員で記念撮影。そして、ここで徒歩組とケーブルカー組に分かれた。
びわ滝コースの入口は、ケーブルカー清滝駅の左側。沢沿いの車道を進むと石仏群が現れ、妙音橋に至る。ここからは山道へ入っていく。右手沢が流れ、左手は鬱蒼とした森の中を山道は適度な斜度で登っていく。土の感触が靴底を通じて伝わってくる。木々の間からは陽光が差込み、光のカーテンを織りなしている。沢の水音と小鳥のさえずりが相まって実に爽快だ。歩きながらメンバー同士の会話も自然に弾んでいく。弘法大師の雨宿りの言い伝えがある岩屋大師の洞窟を見て、水行道場があるびわ滝に到着した。当日は、水行修行は行われていなかった。
ここから、びわ滝道を登る。びわ滝道は、びわ滝と1号路(表参道コース)の十一丁目茶屋を短絡するコースで、つづら折りの急登となる。地面には木の根がゴロゴロしていていたりガレ場があったりと歩きにくいが、一歩一歩着実に高度を稼いでいく。息が切れ、汗が出てくるが、すれ違う登山者に「コンニチワー」と元気な声をかけていた。最後の石段を上り詰めると、十一丁目茶屋前広場に到着した。これまでの登山道の静寂とは打って変わって、広場には人が溢れ賑やかな雰囲気で、下界に舞い戻ってしまったような不思議な気分になった。
一方のケーブルカー組。紅葉シーズンとあって、待ち時間は40分ほど。ケーブルカーは清滝駅(海抜201m)と高尾山駅(海抜472m)間の1kmを6分ほどで結んでいる。途中には31度18分という、ケーブルカーの中では日本で最も急な坂がある。Gがかかってまっすぐに立っていられないほどだ。ケーブルカーを降り、少し進むと十一丁目茶屋前広場、ここで徒歩組と合流した。
ここから先は、徒歩組とケーブルカー組が合流し、賑やかな薬王院の参道の稜線コースとなる。サル園やたこ杉を過ぎ、浄心門をくぐった先には、赤い灯篭が並び、いよいよ薬王院の山域に入る。しばらくすると、石段が続く「男坂」とゆるい坂道の「女坂」に分かれるが、我々一行は迷わず女坂を選んだ。両坂が合流し、やがて薬王院の山門(四天王門)に到着した。ここで暫時休憩。天狗像の前では、若いメンバーが天狗と同じポーズで記念撮影し、ザルでお金を洗うと金運がアップするという八大龍王堂では、お札を洗うメンバーもいた? 仁王門、本堂、大師堂などの堂宇を経て、多少アップダウンのある山道を辿って、高尾山頂に至った。
山頂も人でごった返している。やっとスペースを確保し、待ちに待った昼食。女性メンバーからは手料理も振舞われた。また、小型ガスバーナーでお湯を沸かし、スープを作り、ほんの少しであるが山岳キャンプの雰囲気を味わう。食事をしながら、会話も弾み交流が深まっていき、楽しいひと時を過ごした。高尾山頂の大見晴園地からは、丹沢山塊が見えたが、当日は暖かく遠方は少し靄っていて残念ながら富士山は見えなかった。
帰路は、吊り橋コース。山頂から北斜面の山道を下り、尾根道を進み、いろはの森分岐に至る。さらに緩やかな下り坂が続き、広葉樹林の間に中央自動車道と圏央道のジャンクションを眺めながら自然観察路を進み、吊り橋のみやま橋に至った。橋を渡ると山道は左に曲がり、高尾山の北斜面を横切りながら、往路である1号路の浄心門に合流した。そして、リフト乗り場まで進んだが、リフトは60分待ちの大混雑。仕方なく、計画を変更しリフトを断念し、1号路を下り、清滝駅前広場に到着し、ここで解散となった。
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