1214文化講演会 報告

箱根小涌園ゆかりの中国著名人の名筆を鑑賞

文化交流委員会は、12月14日に上野・東京文化会館で「箱根小涌園ゆかりの中国著名人の名筆を読み解く」と題した文化講演会を行いました(共催:文京区日中友好協会)。講演会は、藤田基彦氏(箱根ホテル小涌園元支配人)を講師に同ホテルが日中国交正常化以前の1960年代から50年余に及ぶ中国との交流を宿泊された文人、政治家らが揮毫された書と写真を150枚余のパワーポイントで紹介されました。
講演では、国交正常化以前には中国要人の投宿を避けるホテルが多い中、作家の城山三郎氏が小涌園を紹介し、来訪が実現したエピソードも披露され、最初の訪問団受け入れは、1961年中国作家代表団の巴金氏らでした。その後、楚図南氏をはじめ、老舎氏、夏衍氏ら、小涌園に宿泊する中国各界の代表団の多くが題辞や漢詩を書き記されました。
また、その芳名録の数は50冊に達しています。氏は北京の中日友好協会で開催された「揮毫足跡展」などの資料を持参、展示され、講演では文人27点、政治家16点の書がパワーポイントで説明されました。主な著名人としては、1965年老舎(中国作家代表団)、1984年巴金(中国作家協会主席)、1973年廖承志ご夫妻(中日友好協会会長)、1989年経普椿(廖承志夫人)、1997年李鵬(中華人民共和国国務院総理)などの名筆でした。来館された中には周恩来総理夫人鄧穎超女史も1979年4月桜花爛漫の小涌園を訪問されました。
この講演会で披露された揮毫は、日中各界の先輩たちの両国が世々代々にわたる友好関係を築いていこうという美しい念願、困難を恐れず日中善隣友好関係を発展させる信念、日中友好のために払ったたゆまぬ努力が強く感じられ、中国の著名人の書一字一字に込められた感情が、今もなお友好の証として残され、私たちに深く語りかけてきました。また、詩的な文章には風光明媚な箱根の景色を謳う文化人としての教養、たしなみや美しい流れといったものも感じられ、参加者を魅了しました。

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