中国大使館杯
第17回東京都日中友好囲碁交流大会を開催
第17回東京都日中友好囲碁交流大会が2014年11月15日(土)日本棋院で開催された。恒例となっている当大会だが、今回は中国大使館のご協力を得て開催されることとなり、大会名に中国大使館杯の冠が付くこととなった。
大会会場は第10回大会まで日本棋院1Fホールで行っていたが、11回以降は大田区、池袋、東京中国文化センターなどで開催してきた。日本棋院での開催は7年ぶりとなった。
参加者は、東京近郊に在住する日中の愛棋家48名、大使館3名、江西省囲碁協会訪日団5名による3回戦の対抗戦で行われた。
第一部、(司会:明立周二大会実行委員長)主催者側を代表して斎藤成都日中文化交流委員会委員長は「囲碁を通じて友好交流を深め楽しい一日を過ごして欲しい」と挨拶した。通訳は李青海氏(中国囲碁協会棋士七段)が行った。来賓紹介に移り、傳剛第一書記官を初めとする中国大使館員の方々、鄭克强団長を初めとする江西省囲碁協会訪日代表団16名が紹介された。また、中国囲碁界の重鎮でもある聶衛平九段のご子息である孔令文七段(日中交流特命棋士)からご挨拶をいただくとともに、日本側からは中国のプロ棋戦である新人王戦を創設した鈴木豊氏の紹介も行われた。
その後、翁子瑜審判長(中国囲碁協会棋士六段)の対局開始の発声とともに、対局は和やかに始まった。現在の日中対抗の形式となって7回目となる本大会は、過去の第1回から第5回まで中国側の5連勝となっていたが初めて昨年日本側が雪辱し、今年の結果がどうなるか双方にとって関心のひとつになっていた。2年続けて負けられない中国チームに対し連勝を目指す日本チームといった状況で交流第一といった中にあっても真剣勝負が繰り広げられた。このような中、どの対局も内容の濃いすばらしいゲームが多く、きわどい接戦が繰り広げられた。展開は、中国側が1回戦を13勝9敗で制し、続く2回戦も13勝9敗と優位に戦いを進めほぼ優勝を手中にしたかと思われたが、最後の3回戦で、日本選手が奮起し、中国側6勝16敗となり大逆転で日本チーム(34勝32敗)の優勝となった。大接戦を制した日本チームは、初の中国大使館杯を手にした。
会場内では、あちこちで互いの健闘を称え合う姿が見られ、選手同士の交流が深まった。大会を通し、日中両選手同士のすばらしいマナーにより気持ちのよい対局が行われた。また今回、江西省囲碁協会訪日代表団として訪日された喻平江西省囲碁協会秘書長(中国囲碁協会棋士二段)による指導対局も行われ、日中の囲碁を通じた交流がより深まった。
第二部、懇親会(司会:小野義則常務理事)の参加者は80名を超えた。主催者側を代表して宇都宮徳一郎会長が「ようやく日中首脳会談は実現したが、第一歩に過ぎない。引続き草の根交流を全力で行なっていきたい」と挨拶した。
次に、来賓また選手として参加された中国大使館領事部の傳剛一等書記官より「交流なくして友好はない。囲碁を通して友好交流を継続して欲しいと願っている」と、次に、江西省囲碁協会訪日代表団鄭克强団長が「『人生一局棋』『山河一局棋』囲碁交流を通じて世世代代のために友好を続けて欲しい」と挨拶された。
乾杯は、呉清源九段とともに昭和の囲碁界を支えた木谷實九段のご子息である木谷正道氏が行い、にぎやかな懇親会が始まった。
その後、明立実行委員長より成績発表が行われ、34対32の僅差により日本側の勝利が伝えられ、中国大使館傳剛一等書記官より日本チーム小澤信弘主将に大使館杯が授与された。引き続き中国側4名、日本側4名の全勝者に対し、宇都宮徳一郎会長から賞品が渡された。
次に、講評は翁子瑜審判長より「時計の押し忘れを教え合うなど友好的でマナーが非常に良かった」と、李青海七段からはプロ棋士の目線からの指摘があり「一層努力して欲しい」と話された。日中の選手が互いに健闘を称え、酒を酌み交わす懇親会は、最後までにぎやかであった。
最後に尾崎常務副会長の閉会挨拶は、訪日団、大会参加者へのお礼と次回参加を呼び掛け、宴を閉じた。
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