2016年10月19日の「中国を読み解く」の講座は、「日中両国人は『似て非なるもの』」でした。講師は久佐賀義光氏(三井物産初代駐中国代表)でした。氏は「中国建国から1978年まで中国の許可を得たものしか対中貿易はできなかった」。1978年三井物産が中国に駐在員を派遣、その初代駐在員となった。それから50年間中国関係の仕事をしてきた。日本に中国から漢字が伝わってきたのは紀元前である。漢字の意味や中国の文化は日本とかなり違う。そこを理解しないと中国との友好やビジネスはうまく行かない。
日本では仕事が終わってから取引先や同僚と「酒盛りをしてお互いを理解しあう」だが、中国ではそうした風習はない。多くの場合は「コネ」を重視し家族や血縁関係を第1とする。自分と家族関係を中心とした社会であり「内人・熟人・外人」という考えを持っている。
「外人」というと日本では外国人のことだが、中国では「自分と関係ない人」という意味である。「内人」というと親しい人、血縁関係や信頼できる人と言う意味である。中国人は「内人」でないと絶対に本音を出さない。内人になり信頼関係ができると相手が損害を受けても「致し方ない」あるいは身銭をきってでも援助をする。
「信頼感」についても日本人と中国人は違う。中国人は自分がミスをしても「絶対に謝らない」、日本人は「すぐに謝る」こうした文化や考え方の違いを理解しあうことが日中関係にとって重要である。中国人は愛憎の感覚が非常に強く「恨みを受けるとそのことを決して忘れない」。文化や風習の違いを理解しあい日中関係が良好であることを望みます。