中国の都市で、日本と韓国に一番近い都市を知っていますか?
それは筆者の故郷である山東省に位置する地級市の威海市(いかいし)です。東南北を黄海に面し、北は遼東半島、東は朝鮮半島に近い港町です。
かつては「威海衛」と呼ばれ、1898年から1930年までは、大連や旅順を租借したロシアに対抗したイギリスの租借地でした。
威海市は中国国内だけでなく、世界でも有数の暮らしやすい都市となっています。中国初の国家衛生都市としても有名となり、国内都市別治安ランキングでは10位。2003年に国連の「UN Habitat Scroll of Honor Award(人類居住賞)」を受賞しました。
総面積は5,797km2、総人口は約282万人程度の威海市の最大の魅力は「緑と海に囲まれている」ところ。東海岸にある海水浴場は大人気のスポットで、毎年全国から沢山の観光客が集まります。エメラルドグリーンの海水ときめ細かな金色の砂浜が特徴です。そのため、威海料理と言えば海鮮料理が有名で、黄海沿岸ではサワラ(鰆)が多く漁獲され、5~6月が旬です。絶品の「鰆餃子」は地元でも一番人気があります。
また、劉公島も観光客が必ず訪れる観光スポットで1888年に清朝北洋海軍基地がこの島に設置しました。ここは中日甲午戦争(日清戦争)の主戦場であったことでも知られ、今でも中国海軍が常駐しています。島には博物館や動物園、昔の砲台跡などもあります。
愛国主義教育センターとしても有名で、博物館には北洋海軍と中日甲午戦争(日清戦争)に関する資料と文物が多く展示され、歴史を学ぶこともできます。
近年、威海市は1982年に山口県宇部市と友好都市を締結し、様々な分野で交流を深めています。