日中友好国交正常化50周年記念
「日中友好 書道談義と席書の集い」開く
6月25日、東京都文京区のアカデミー湯島において「日中友好 書道談義と席書の集い」が東京都日中友好協会・書道部会(豊道溪峻部会長)主催、中国大使館(公財)東華教育文化交流財団の後援で開催された。このイベントは、国交正常化50周年記念として、書道を通じて交流を深めようとコロナ禍ではあっても対面で25名の参加を得て実施された。
冒頭、中野修常務副会長の開会挨拶にはじまり、来賓として(公財)東華教育文化交流財団・陳隆進理事長から祝辞が述べられた。
第一部の書道談議は、「漢字伝来と仮名のはじまり」をテーマに、井垣清明氏(日本書学院代表、東京都日中友好協会参与)と財前謙氏(早稲田大学教育・総合科学学術院講師)の両氏による対談形式で図版と資料を基に、漢字の成り立ち(象形文字、甲骨文字等)から日本への伝来について語られた。古くは弥生式土器と共に出土した貨泉(王莽銭)や銅鏡・刀剣の銘として日本へもたらされ、有名な後漢・光武帝から賜された金印『漢委奴國王』がある。
一方、日本で発明された仮名と片仮名は、一字一音表記で日本語を表記し始めた。漢字は、「形(字形)・音(発音)・義(意味)」の三位一体である。これを「意味」を無視して音を仮りて(仮借)、一字一音で日本語を表記し始めたもの。5世紀の刀剣銘にその先例があり、8世紀の『古事記』,『日本書紀』」、『万葉集』(759年)になると「万葉仮名」として定着した。特に『万葉集』では、王羲之を「手師(字の上手な人)」とし、義之(王羲之の仮借)・大王・手師などを「てし」と読む歌が合計29首ある。これは、奈良・平安時代の王羲之尊崇の表れだとする説明がなされた。
第2部の席書では、参加者を前に大嶋春山氏(北城書社会員)が漢字2題、大石三世子氏(栴檀社理事長)和歌2首を仮名で披露した。
なお、このイベントの模様は、東京都日中友好協会ホームページ「都日中CHANNEL」で放映する。
(文化交流委員長 斎藤成 記)