参考 「海峡両岸論」より岡田充氏(共同通信客員論説委員)・東京都日中特任顧問

  

岡田充氏 ジャーナリスト・共同通信客員論説委員 

 「海峡両岸論 」より抜粋 (都日中特任顧問):経済ビジネスクラブ(委員会)


   中国はナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問(8月2~3日)=写真 総統府HP=の報復措置として、8月4日から7日まで台湾を包囲する6カ所の演習区域で、ミサイル発射を含む「重要軍事演習行動」を行った
注1 。演習には中国空母や原子力潜水艦を動員、その規模と能力からみると、

「第3次台湾海峡危機」を遥かに上回る「第4次危機」と言える。危機の契機はペロシが個人的レガシー(歴史的評価)を満足させるための訪台だ。しかし、本質的には「一つの中国」の空洞化を目指す米日と中国との綱引きであり、対立はより激化する。演習内容を振り返りながら、中国が発表した「台湾白書」の意味、米中、日中関係を展望する。


第1「威嚇狙い本島包囲・封鎖」
まず演習概要を紹介し特徴と狙いを明らかにする。中国国防省の吴谦報道官注2は2日、ペロシ訪台を、「故意で悪意ある挑発」と批判。米国が「一つの中国」原則と「3つの共同コミュニケ」の規定に重大な違反し、「中米関係の政治的基盤に深刻な打撃を与え、両国の軍事関係を深刻に損ねた」と非難。「国家主権と領土の一体性を擁護し、外部勢力の干渉と『台湾独立』の分裂を断固として阻止するため」軍事演習を開始する、と発表した。
演習目的について、台湾を対象範囲にする「東部戦区」報道官は「米国が台湾問題をエスカレートさせたことへの威嚇であり、台湾独立勢力への厳重な警告」と、米台双方への「威嚇」を強調した。これまでにない大規模演習だけに、「威嚇」という狙いを明確にすることで、「不測の事態」の発生を防ごうとする意図が読み取れる。


中国軍は8月4日から7日まで、台湾を包囲する6カ所の空海演習区域を設定し、実弾射撃を伴う「重要軍事演習行動」を実施すると発表注3した。演習区域のうち4カ所は、台湾が主張する領海・領空と重なっており、中国が台湾への主権を持つことを内外に示す意図を明確にした。特徴の第1は、「台湾本島を包囲・封鎖する初の大規模演習」にある。


第2「中間線越境の常態化」
中国軍は1995〜96年、李登輝総統(当時)の訪米(95年)と、96年3月の総統初直接選挙への対抗措置として、台湾の南北端に2発のミサイルを発射する演習を行った。これに対し米国は「インディペンデンス」など2隻の空母打撃群を台湾海峡に急派し中国の演習をけん制し、「第3次海峡危機」へと発展するのである。
第3次危機では、中国軍は3か所に演習区域を設定したが、いずれも中国大陸側に位置し、米国と台湾側が「防衛ライン」とみなす「海峡中間線」を越えない形で設けられた。これに対し今回は、福建省平潭島沖の演習区域は、中間線をまたぐ形で設定された。
中国は従来から「中間線」の存在を認めてはいないものの軍用機の「越境」は極めてまれだった。衝突の危険を回避するため、事実上中間線を「尊重」する対応をしてきた。
台湾国防部は7日、今回の演習開始から7日午後5時までに、台湾海峡周辺で中国軍の航空機66機、艦船14隻が確認されたと発表。このうち12軍機が「中間線」を越えたと発表した。さらに同国防部によると、3~7日に中間線を越えた中国軍機の数はのべ100機に上った。中国軍の中間線越境は2019年に8年ぶりに確認され、20年には2日連続したこともあった。
中国側は今回の演習を機に、今後は中間線突破を常態化するだろう。中国共産党機関紙・人民日報系の「環球時報」社説注4は、軍事演習が一過性ではなく波状的に行われると伝えた。特徴の第2は「中間線越境の常態化」である。


「ミサイルが台湾本島初横断」

    中国軍は1日目の4日15時前から16時過ぎの約1時間にかけて、福建省と浙江省沿岸及び中国内陸部から、北部、東部、南部の演習海域に向け短距離弾道ミサイル計11発を発射した(台湾国防部発表)。英軍事週刊誌「ディフェンス・ウイークリー」注5は、発射されたのは短距離弾道ミサイルの「DF15B」(東風15B)と「DF16」(東風16)が含まれていると報じた。
一方、日本防衛省は4日、9発の発射を確認と発表。岸信夫防衛相はうち「5発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したもようだ」とし「日本の安全保障と国民の安全に関わる重大な問題で強く非難する」と述べた。
中国弾道ミサイルが、日本のEEZ内に落下したのは初めてとみられ、外務省の森健良次官は同日夜、中国の孔鉉佑駐日大使に対し電話で抗議、軍事訓練を即刻中止するよう求めた。EEZ落下をめぐる論点は後で詳述したい。
中国国防大学の孟祥青教授注6は、弾道ミサイルが初めて台湾を横断し太平洋に落下した意味について、「米国のパトリオット迎撃ミサイルが集中する空域で、標的を正確に攻撃した」とし、「我々の武器や機器の性能の大幅な改善を反映している」とコメントした。

演習布陣の意味
6か所の演習区域を設定した意味については、「実戦性、戦略性、影響力の3点で前例がない」と指摘する張軍社・中国海軍研究員注7の解説に耳を傾けよう。
演習区域の軍事的意味について彼は①北部西寄りの演習区域は平潭島にあり、解放軍がここに布陣すれば台湾海峡の北口を封鎖できる②台湾北部の2つ演習区域は基隆港を直接封鎖できる③東部の演習区域は、花蓮と台東軍事基地を直接狙え、正面攻撃態勢をとれる④墾丁半島南東の演習区域はバシー海峡の出入り口を効果的に押さえられる⑤南西演習区域は高雄と左営に近接している―と解説した。
「演習区域全体が台湾島を包囲し『閉門打狗(相手を勢力範囲内に封じ込める)』態勢をとっている」と、演習が台湾本島封鎖を狙ったことを強調した。


準備された演習シナリオ
またペロシ訪台直後に演習が発表されたことからみて、台湾本島を包囲・封鎖する今回の演習シナリオは、米台の挑発がレッドラインを踏んだ場合のシナリオの一つとして、かなり以前から準備されていたことがうかがえる。共同通信注8は8月11日、中央軍事委員会主席の習近平が、日本のEEZに弾道ミサイルを落下させる決断を自ら下した、と伝えた。
台湾海軍の艦長を務めた張競・中華戰略学会研究員は、第3次危機での米国対応と比較し、96年には米軍艦がミサイル落下区域の近くで監視活動に当たったが、今回は空母「ロナルド・レーガン」がかなり遠隔地で監視に当たった、と指摘。米軍も中国軍との摩擦を避けるため、控えめな対応をしたと指摘する。

    一方、台湾紙「中国時報」(電子版)注9は7日、米軍横須賀基地を母港にする米弾道ミサイル追跡艦「ハワード・O・ローレンツェン」(12,5750トン)が3日に出港、7日まで沖縄周辺で中国のミサイル監視に当たったと報じた。
この情報源は、北京大学海洋研究院南海戦略態勢感知計画(SCSPI)のツイッターへの投稿。(写真=ツイッターに投稿された追跡艦の展開図)中国側が常に、在日米軍基地を含め米軍の海洋活動を監視・追跡に当たっていることが分かる。

「武力行使」と「武力統一」は同義ではない
冒頭で触れたように、演習目的はペロシ訪台を認めた米国と、受け入れた台湾への「懲罰」と「威嚇」にある。NHKは8日朝のニュース注10で、孟祥青・中国国防大学教授注11の「台湾を早期に統一するための条件を作り出し、中国に有利な戦略的状況を形成した」という解説を引用し「今回の演習で武力による統一を決めた場合の動き方を検証したことを示唆した」と伝えた。
平たく言えば、NHK報道は、「武力統一」のための予行演習と言いたのだろう。だが「武力行使」と「武力統一」は、意味は重なるが同義ではない。中国は2005年の「反国家分裂法」で、台湾が独立を宣言したり、米国の干渉によって統一の可能性が失われたりした場合、「非平和的手段」(武力行使)という選択を否定していない。
武力行使とは、今回の演習目的である「懲罰」を含め広義であり、「武力統一」を必ずしも意味しない。中国は1979年以来平和統一を掲げ、習近平・党総書記が発表した2019年1月の台湾政策「習5点」注12は、「平和統一宣言」でもあった。
この中で、台湾統一は2049年の建国100年に実現すべき「世界一流の社会主義強国実現」と「中華民族の復興」という最優先目標(大局)に従属する課題として位置付けられている。共産党は武力行使を最終的手段として否定はしないが、「武力統一」を認める公式の文書はないことを付け加える。
今回の演習で、中国軍の能力の飛躍的向上が立証されたとはいえ、それでも米軍との総合的戦力の差は依然として大きい。米軍との衝突を覚悟し「武力統一」する意図と能力はない。台湾人の大半が統一を望まない現状で武力統一すれば、台湾は戦場と化す。武力で台湾制圧に成功しても、長期にわたって台湾人の抵抗に遭う可能性が高く統一の果実はない。
ペロシ訪台が、中国民衆のナショナリズムを駆り立て、「武力統一を急げ」という勇ましい声が出るからといって、それを「武力統一が近い」論拠と見做すのは飛躍である。


第3次「台湾白書」を発表
中国政府は8月10日、「台湾問題と新時代中国の統一事業」と題する「台湾白書」を発表した。両岸の民間窓口が新設され両岸交流が大幅に拡大した1993年の「台湾問題と中国の統一」と題する第1次白書。民進党政権が誕生した2000年の「一つの中国原則と台湾問題」と題した第2次白書に続く、第3の白書になる。

  第2次白書と比較した特徴の第1は、かつて鄧小平が述べた「一国2制度」による平和統一後、「台湾は軍隊を持てる」とした部分がなくなった。国防と外交は、中央政府の専管事項という基本姿勢に戻ったことを意味する。
第2に、第2次白書の「台湾当局が無期限に統一交渉を拒否するなら、武力行使を含む措置」の記述がなくなった。これは2005年の反国家分裂法に、武力行使の条件が盛り込まれたためであろう。
そして最も重大な特徴は、以下の部分だ。「外部干渉勢力と台独による重大な事変に備えて、非平和方式(武力行使)の措置を準備するが、その目的は平和統一の将来を維持し、平和統一のプロセス推進のため」。
  武力行使は武力統一のためではなく、平和統一実現の手段とみなすのである。敷衍すれば、大規模軍事演習は、武力統一のための準備にあるのではなく、あくまでも平和統一を実現するための手段と考えていることを意味する。


衝突「懸念せず」が6割超
台湾民衆の受け止めにも触れよう。台湾紙「聨合報」は8日、「中華民意研究協会」の世論調査結果注14として、軍事演習が「軍事衝突をもたらすと懸念するか」の質問に、60.1%が「懸念していない」と答え、「懸念する」の34.0%を上回った。台湾民意の冷静な反応を示している。「演習慣れ」の側面もあるだろう。
さらに、中国が武力行使した場合、「米国は出兵し台湾防衛に協力するか」の質問には48.5%が「はい」と答え「いいえ」は37.4%だった。台湾ではロシアのウクライナ侵攻で米国が派兵せず、米ロ代理戦争をしているのを見て、米国の台湾防衛への信頼度が低下した。中国の軍事演習で、米国への期待感が多少戻った可能性があるかもしれない。
ペロシ米下院議長の訪台の内幕については、紙幅の都合で省略する。別稿「台湾メディアが書いた全内幕」注15をご覧いただきたい。
米国に8項目の制裁
次はペロシ訪台と軍事演習が、米中関係に与える影響である。これまで見たように、ペロシ訪台は、中止を勧告したバイデンの顔にも泥を塗った。中国の軍事演習中は、監視任務に当たった米空母も演習区域に近づけない「配慮」をみせ、控え目対応をした。
そのバイデンは、8月8日軍事演習について、「懸念している」と述べる一方、台湾の安全保障については、「心配はしていない。(中国が)これ以上何かするとは思っていない」と記者団に語った。またペロシ訪台を「賢明な判断だったと思うか」の質問には、「彼女の判断だ」と述べるにとどめた。訪台が政権の判断ではない立場を維持している。
一見、中国への「控えめ対応」を維持しているように見えるが、国防総省は近く、米艦船を台湾海峡を通過させると発表しており、航行の自由作戦を含め従来の軍事対応を維持する方針だ。
中国外交部は8月5日、米国への対抗措置として①中米両軍戦区指導者の電話会談、②中米国防省作業部会、③中米海上軍事安全保障協議メカニズム会議―の3項目を「取り消し」。④中米違法移民送還協力、⑤中米刑事司法共助協力、⑥中米国際犯罪取り締まり協力、⓻中米麻薬取り締まり協力、⑧中米気候変動協議―の5項目を「一時停止する」と発表した。
「不測の事態」への対応に不安
「環球時報」注16は、中国社会科学院米国問題専門家の呂祥氏の話として、ペロシ訪台時の航空機および安全保障は、いずれも米国防総省が提供したと指摘、「米軍当局が中国の主権と安全を損なう行為に出たことで、中米両軍の交流の意義はすでに客観的に失われた」と、両軍交流停止の背景を説明した。
米政治サイトのポリティコ注17は8月5日、中国軍トップが米国側からの電話連絡に応じなかったと報じた。米軍トップのミリー統合参謀本部議長と中国軍の李作成・統合参謀部参謀長のオンライン協議は、22年7月7日が最後になる。
中国の軍事専門家の宋忠平氏は、同じ「環球時報」で「国防省レベル、戦区レベル、海上安全保障レベルは、いずれも中米軍事交流の重要な構成部分であり、各レベルのメカニズム中止は、「中米の軍事的相互信頼が地に落ちたことを意味する」と分析した。
米中間の軍事レベルのコミュニケーションが失われると、「不測の事態」発生時の双方の対応や「消火」に不安が増す。中国が強硬姿勢をとったのは、「一つの中国」原則をこれ以上空洞化させないとの強い意思の表れだ。
「挑発し権威失わせる」パターン追求
そこで「第4次危機」の最大の背景を挙げる。米中の戦略的対立は、中国の考える「一つの中国」原則の空洞化を目指すバイデン政権と、その阻止を目指す中国指導部の正面対立にある。ペロシ訪台は、中国側が許容できない一線を意味する「レッドライン」を踏んだ。
ペロシは、「訪問中止」を勧告したバイデン政権と、招待取り消しに傾いた蔡政権の反対を押し切った「トラブルメーカー」と言っていい。
しかし、バイデン政権は今後も、ブリンケン国務長官らネオコン派を中心に、「台湾有事危機」を煽って日本、オーストラリアなど同盟国と共に、対中包囲網を強化する方針を継続する。
米中の戦略的対立の中で、ネオコンの特徴的な対中政策は①中国を挑発②激烈な反応を引き出し③権威を失墜させる―挑発パターン注18にある。今後もこのパターンを繰り返すはずだ。バイデン政権は台湾海峡の安定を望んでいるのではなく、緊張激化によって中国の威信を失わせるのが狙いだ。

 米国

  では、台湾問題の専門家で厳しい対中姿勢で知られるボニー・グレーザー氏注19ですら「ペロシ訪問は、台湾の安全保障を強化するような意味のあるものではなかった。逆に台湾を危険にさらし、台湾の安全保障は弱体化した」とコメントした。ペロシ訪台が米中関係を後退させただけでなく、対立を先鋭化させるのは確実である。


過熱する日中非難合戦
だが訪台で最も強い影響を受けるのは日本になるかもしれない。中国政府は4日、カンボジアで予定していた日中外相会談を直前になって中止、ASEAN外相会合では林芳正外相の演説中、王毅外相とラブロフ・ロシア外相が退席する「見せしめ」をした。
公表されている限り前例のない対応だ。9月の日中国交正常化50周年を前に、中国がこれまで控えてきた対日批判を、公然と激化させる前兆でもあった。
中国外務省の華春瑩報道局長は4日の記者会見で、外相会談中止について「日本はG7やEUと結託し、中国を理不尽に非難する共同声明を発表した」とコメントした。岸田政権はこの日、中国の軍事演習で弾道ミサイルが日本のEEZ内に初めて落下したことを強く非難。これに対し、鄧励・中国外務次官は4日垂秀夫駐中国大使を呼び出し「日本はG7やEUと共に、理不尽な批判で中国の顔に泥を塗った。国際社会に誤ったシグナルを発している」と批判するなど、非難合戦は過熱した。
岸田は5日朝、ペロシを招いて朝食会(写真=ペロシ議長と握手する岸田首相 首相官邸HP)を開き厚くもてなした。さらに朝食会後にメディアの囲み取材で、中国のミサイル落下を「日本の国家安全保障と国民の安全を脅かしている」と指摘、さらに日米が「台湾海峡の平和と安定を共同で守る」と、中国への対抗意識をあらわにした。
朝食会は「失当」外交
岸田とは対照的に、尹錫悦・韓国大統領は4日訪韓したペロシとは、「夏休み」を理由に対面せず、電話協議で済ませた。朝食会の開催と直後のメディア向け発言は、ペロシ訪台が米国内部に「摩擦」をもたらし、米中の大争点になっている状況を勘案するなら、明らかに慎重さを欠いた失当外交だった。
ミサイルの日本EEZ落下についても、単に批判で済む問題ではない。論点は①EEZ内での軍事演習は、国連海洋法条約など国際法上規定はなく違法ではない。何を根拠に「抗議」したのか曖昧②日中間では、EEZ境界が画定していない。中国側は「日本のEEZに(ミサイルが)入ったという問題は存在しない」とコメントした。尖閣諸島をめぐる「領有権紛争」が、ここでも影を落としているーことを付け加える。
在日中国大使館は8月8日、孔鉉佑大使の「ペロシ訪台とG7外相声明で日本側に厳正な立場表明」と題した談話注20の発表に続いて、「日本が再び歴史的な誤りを犯さないよう忠告する」と題する中国大使館報道官の談話注21をHPに掲載した。中国メディアも「環球時報」をはじめ、連日のように対日批判キャンペーンを始めている。
対日報復「やりやすい」
8月10日付け新華社電は注22王毅外相 がペロシ訪台をめぐって米台を批判するとともに、日本などを念頭に「一部の国の政治家が是非を顧みず、機に乗じて騒ぎ立て、模倣し、政治的パフォーマンスを行い、政治的私利を得ようとたくらむことを警戒」と、日本を念頭に置いた警告をした。
中国メディアの日本批判の例を紹介する。「日本の『不安』は完全に自ら招いた」と題する8月5日付「環球時報」社説注23はその代表例。社説は「日本には、台湾問題でとやかく言う資格はない。台湾問題で重大な歴史的犯罪の責任を負っており、台湾を長期間植民地支配しただけでなく、いまだに徹底的に反省していない」と、植民地支配に遡って批判。
さらに「日本が米国と一緒に中国の核心的利益に挑戦するならば、高い確率で中国側のより直接的でより強い反撃を受ける。少しきつく言うなら、日本に報復するのは米国に報復するよりも簡単でやりやすい」と、対日報復をちらつかせた。
今後8月15日をはじめ、9月18日の「柳条湖事件」記念日など、日中間の歴史的記念日を控え、中国の対日批判の動向を注意深く観察する必要がある。
岸田政権は、安倍国葬をめぐる民意の分断や、旧統一教会疑惑の先鋭化で、支持率下落が顕著。その最中のミサイル落下で、「台湾有事は日本有事」の「安倍遺言」にリアリティを持たせる宣伝戦を開始し、有権者の関心を台湾有事に向けようとしているようだ。
中国は日中関係を、米中関係の副次関係とみている。中国は抑制してきた対日批判を遠慮なく激化させ、日本を米国の「共犯」と見なして叩く可能性が高い。米国と共に対中包囲政策と軍事力強化にばかり傾注し、対中外交によってバランスをとろうとする外交を軽視してきた「ツケ」が回りつつある。  

(以上 参考でした: 抜粋部分より)都日中経済ビジネスクラブ

           

最新情報はこちらから
>認定NPO法人東京都日本中国友好協会

認定NPO法人東京都日本中国友好協会

〒113-0033 東京都文京区本郷3-4-5 ハイムお茶の水702号
TEL:03-3295-8241 FAX:03-3295-8255
新型コロナウイルスの関係で10:30~16:30の時短勤務となっております。