中国への留学希望者必見!独自カリキュラム実践(フィールドワーク)

2024年秋から清華大学の学部(本科)に留学している児玉龍之介です。

1年生はじめての冬休みを過ごし、その中で体験した中国の大学の独特のプログラムである実践(フィールドワーク)についてご紹介したいと思います。

大学のプログラムなので、無料で、しかも非常に充実した体験ができるものでした。

後ほど詳しくご紹介しますが、私はこういったところに行ってきました。

これから中国留学を考えている方は、こういったプログラムがあることを意識いただくことで、受験する際の志望動機に活かすこともできると思います。

実践(フィールドワーク)とは?

実践とは交通費、宿泊費を全額学校や自治体などが負担して、中国各地や海外各国に行き実地調査などを行う学術研修、フィールドワークのことです。

夏休みや冬休みに実施されており、

  • 深圳や杭州に最新技術を見に行く実践
  • 中国の農村に行き農村振興を行う実践
  • 日本に行き東大や京大と学術交流を行う実践
  • 日本の高齢化対応を調査する実践
  • 中東に経済や文化研究を行う実践など

幅広い内容と地域で開催されています。

多くの学部で必修となっているほか、自由参加の実践も多く開催されており、より実践的な学習を行えます。

実践への参加方法は?

実践は主に大学ごとに開催されています。

例えば清華大学の場合、清華大学社会実践のwechat公式アカウント(公众号)をフォローすると情報が手に入りやすくなります。

実践は大学や目的地である地方自治体、会社などが経費を負担することが多いため、清華大学や北京大学等トップ大でより多くの実践活動が開催されています。

基本的には大学ごとでの参加ですが、例えば清華大学農村振興(乡村振兴)が開催している実践は、清華大学以外の大学生でも応募可能です。

なぜ実践活動の存在を知るべきなの?大学受験に有利だから!

海外大学受験では、なぜ海外に行く必要があるのか、なぜ志願した大学で勉強をする必要があるのか等の質問を明確にする必要があります。

その中で、実践活動というあまり日本で知られていない、中国大学独自のカリキュラムを知っていることは他の受験者との差別化につながります。

中国の方がフィールドワーク等を通してより実践的な学びができる、清華は他の大学に比べて実践活動などの資源が多く、自分のどのような強みと関連付けられる、活かせる、等と述べれば中国の大学である必要や中国の〇〇大学である必要などが説明しやすくなると思います。

各大学の大学/実践/招生公众号などを通してその大学が開催している実践の傾向などを見るとより良いです。

実践の具体的なプログラム体験談―広西省三江侗族自治县

私は2025年の2/5-2/15日の間、農村振興を目的に広西省三江県という少数民族トン族(侗族)が主に暮らす地域へ実践に行きました。

北京から目的地までの往復移動費、宿泊費、食費は全て三江県政府の負担でフィールドワークを行いました。

参加者は学部1年生から博士までおり、所属大学は約半数が清華大学でした。

他にも北京大学、中央美術学院(中国の最高峰芸術大学)等の参加者もいました。

参加人数は15人程度で、それぞれ学術部、項目部などに割り振られます。

学術部ではトン族の伝統文化継承について論文を書き、項目部では観光を促進するための茶缶などのデザインを行いました。具

体的な振り分けや活動内容は実践ごとに異なります。

三江県とは?

三江県(さんこうけん、中国語: 三江侗族自治县)は、中国広西チワン族自治区柳州市に属する自治県です。

主に侗(トン)族が居住し、独特な民族文化が息づいています。

風雨橋や鼓楼などの伝統的な建築が有名で、特に「三江風雨橋」は観光名所として知られています。

地理的には山岳地帯に位置し、美しい棚田や豊かな自然景観が広がります。

少数民族の文化や伝統芸能が色濃く残る地域で、観光や民族文化の研究に適した場所です。

全体の日程

2/5現地入り

2/6三江県県庁所在地フィールドワーク

2/7-2/9高友村など村落でのフィールドワーク

2/10-14三江県県庁所在地フィールドワーク

2/15北京へ戻る

実践体験しての感想

農村振興を目的にしているため、フィールドワークでは

  • トン族文化を商業化し経営を行っている方へのインタビュー
  • お土産店への訪問
  • 県庁所在地から離れた過疎化が進んだ村の村長へのインタビュー

など現地の文化、風習、経済状況を把握する活動を主に行いました。

最終的には

  • トン族の非物質的文化の伝承をまとめたレポート
  • トン族観光に対する提案書
  • お茶缶のデザイン
  • トン族観光宣伝ビデオ

を三江県に提出し、最終日の2/14三江県の幹部などと対談を行いました。

大学のプログラムで観光ができ、仲の良い友人ができる

実践は現地に視察を行くことを重視しているため、最終的には学術論文などを提出する必要はあるものの、日程は全体的に観光的な側面が強いです。

しかし、目的を持ったり、清華大学という肩書を持って行動しているため、村長に経済状況や経済計画などを伺えたり、ガイドがついたり、より充実した旅行となりました。

また、三江県はメジャーな旅行先ではないため、新たな中国の側面を知る良いきっかけとなりました。

勿論、メンバーとは夜共に麻雀を行うなど、交友を深めました。

また、実践メンバーは履歴書の提出及び面接を経て選考されているため、中国の最高峰芸術大学中央美術学院に通っている学生などで構成されており、メンバーとの交流も有意義なものとなりました。

実践後も北京で集まりバドミントンをするなど、交流が続いています。

日本の大学にもフィールドワークや短期留学など似たものはありますが、低学年から誰でも参加できる実践は中国大学の独特なもので、非常に有意義な活動です。

実践活動を通して新たな中国の側面を知ったり、友人ができたりもします。

特に清華大学や北京大学などにはこのような資源が集中しているためおすすめです。

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