2025年3月16日当協会の日中若者の現代文化交流イベントを実施しました。
その中で、Youtuberであり、中国系インフルエンサーのヤンちゃんから日本語を学んだ経験とそこから得られた学びについてご紹介いただきました。
日本語を学ぶことになったきっかけ
私は大学生のときに日本語を専攻した。
実は、中国人で日本語専攻を選ぶ人多くは高校生からはじめています。
日本に来てから、私が日本人に聞かれた質問で最も多いのが、なぜ日本語を勉強しているのということでした。
多くの場合、日本の文化に興味があってとか、日本に行ってみたいと思ってという答えを期待しているのではないでしょうか。
実は、私の場合はそういった前向きな動機ではなく、高校入試の共通テストの点数が足りなかったので、日本語を学ぶことになったんです。
日本語を学びはじめて感じたのが、「あいうえお」からスタートしたので、自分が赤ちゃんに戻ったような感じでした。
しかし、友人で早くから学んでいる人は大学入学すぐに「私の母は背が高い」といった私からすると非常に高度な日本語を話していました。
私の日本語は大器晩成だと思って学ぶことにしました。
中国語でも多音字がありますが、日本語のほうが圧倒的に多いです。
日本語を学ぶ中で大変だったことー漢字の読み方の多さ・方言ー
ひらがなとカタカナの別があるだけでなく、漢字の読み方が複数あるのも大変でした。
豚(ぶた)、足(あし)で豚足(とんそく)といいます。
大学3年生のときに交換留学で日本の北九州に来ました。
その頃に日本語能力試験で2級を取得していました。
日常会話はできる状態でした。
その時、私は「ぶたあし」をくださいといったら、お店の人は笑ってかわいいですねと言われました。
人生、生地など、読み方を統一してほしいと思いました。
交換留学の時は生活に追われていたので、カラオケでアルバイトをしました。
そこで働いている人たちの言葉がわかりませんでした。
2年間学んだのは、間違った日本語だったのではないかと思っていました。
19歳のアルバイトの人が真面目に、「日本語がどれほどわかっているのか」と聞いてくるほどでした。
その時、私は逆に「あなたは日本語を話しているのですか」と聞き返しました。
「仕事せないけん」と言われても、全くわかりませんでした。
日本語は中国語と同じようにたくさんの方言があるとわかりました。
若者と交流して、ようやく北九州の若者とコミュニケーションをとることができるようになりました。
その後、東京に行きました。
またカラオケでアルバイトを働くことにしました。
そうしたら、店長から「日本語が汚い」と言われました。
九州弁が汚いということだったんですね。
九州では、「知りません」は、「知らん」といった回答が普通だったので、そういう答えはしていたからです。
そこから2年使ってようやく標準の日本語を話せるようになりました。
ただ、北九州弁から標準語にしたのは、北九州弁が出るたびに周りの人が指摘をしてきたので、話をして、指摘を受けて、気をつけてということで、変わっていきました。
指摘をしてくれる人がいるのが、語学勉強には良いと思います。
日本人のいう、日本語お上手ですねは本当の上手ではない
日本人は、私が日本語を話すと、日本語上手ですねと行ってくれます。
仕事をはじめてからのことです。
中国人の同僚と一緒に日本人のお客さんと食事をしていた時、私は日本語うまいですねと言われました。
しかし、中国人の同僚には日本語がうまいですねとは全く言っていませんでした。
というのも、その中国人の同僚は、子どもの頃から日本で育っていたので、ネイティブと同様だったから気づかなかったからです。
つまり、これは日本人のいう、「日本語うまいですね」というのは、まだ十分うまくないと言うことなのだとわかりました。
日本に来て14年、ネイティブのように話せるようになることは諦めました。
それが個人の特徴だと思っています。
この不完全さを受け入れることにしました。