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【中国と関わる仕事】中国と関わり働く方にインタビュー#2:伊沢淳一さん

中国と関わる社会人にインタビュー

こんにちは!

この記事では、東京都日中友好協会のインターン生が中国と関わりながら活躍する方々にインタビューをしています。
将来中国と関わりたいと考えている学生の方、中国に関心のある方ぜひご覧ください。

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No.1  井上正順さん
No.3  石塚諒平さん

NO.2 伊沢淳一さん ~中国語の知識ゼロだった30代から、40代で中国赴任になるまで~

ご経歴

大学卒業後、教育業界の大手企業に就職。
30代で携わった仕事の縁から、中国語の勉強を始める。それまで中国語の知識はほとんどゼロに近かったという。
その後、40代後半から台湾に2年間、中国に6年間赴任。計8年間、海外で日本の教育教材やサービスの展開に携わる。

勤務25年目で突然の台湾赴任へ

ーー台湾に赴任になったきっかけはどういったものだったのでしょうか?

会社に入った当初は、中国で仕事をするとは全く思っていませんでした。契機になったのは35歳の時に会社の子会社に出向したことでした。そこで中国語検定の仕事の委託業務に関わり、自身も中国語に興味を持つようになったんです。同じく中国語に関心のある会社の人たちとお昼時間を使って、中国語の勉強会を開いていました。こういった自主的な勉強を2年くらい続けていたと思います。

そういった姿勢が会社の人に見られていたのか、台湾赴任の話をいただき行くことを決めました。

ーーどのように中国語の勉強をされていたのですか?

日本では会社で自主的に開いていた勉強会以外に、自宅でも勉強をしていました。しかし、まだその時は初級だったため会話に関しては片言で話すのが精一杯という感じでした。そのため、赴任してからは毎日始業前の1時間で個人レッスンの授業を受けていました。レッスンでは、文法より時事についてディスカッションするなど会話力をつけることを意識していました。

また、台湾のときは通訳の方が付いてくれていたのですが、その後成都へ赴任になった時は通訳の方がいませんでした。そのため、会議や朝会で話していることが分からなかったり苦労したことも多くありました。しかし、分からなかった場合は何回も聞き直したり、家に帰ってからも3時間ほど中国語を勉強していくなかで、半年後にはだんだん周りの人との会話もできるようになりました。

ーー最初の赴任先である台湾ではどのようなお仕事をされていたのですか?

教育教材やサービスの展開や新たな商品作成などをしていました。台湾に関しては、20年以上前から自社製品の展開をしていたので、実は認知度は日本と変わらないくらいあるんです。

2年後の台湾赴任を終え、次は中国へ

ーー中国でのお仕事は何をされていたのですか?

四川省の成都市で、オフライン営業をしていました。台湾と比べて、商品の認知度がまだ高くないためショッピングモールにブースを構えて、体験教育などができる場を提供したりしていました。そのための準備として、販売員の採用や育成、店舗の拡大なども行っていました。日本ではなかなか味わえなかった、お客さんとの距離感の近さは印象的です。実際に使った人が遊びに来てくれて、商品の感想を伝えてくれることもありました。

ーー日本の教育教材のどういった点が中国人に刺さったと感じましたか?

もともと中国は子供の教育に対して積極的で、大半の家庭が一人っ子ということもあるためお金を多く投資しています。そのため小学生の子供を対象にした教育サービスの競争は激しいです。しかし、就学前段階は意外と空白ということが分かりました。そのため学習習慣を身につけるという啓蒙的な部分で、営業などをしていき認知度を高めていきました。

計8年の海外赴任を経験された伊沢さん

ーー海外で商品を広めていく中で意識していたことはありますか?

台湾に関しては、前から展開していたため認知度は日本とあまり変わらないくらいでしたが、中国に関しては日本や台湾ほど認知度がなかったり、そもそも営業活動をしていると日本人自体初めて会うような人も多くいました。そういった状況のなかで、会社や商品を知ってもらうことは、挑戦的でしたね。オフライン営業を積極的に行ったり、着ぐるみショーを開いて認知度を高めたりしていました。

また、新たに直面している課題として中国は教育への要求レベルが高いということです。「これを子供にやらしたら具体的にどのような効果が出るのか」ということを明確に求められます。そのため、日本の商品と比べても学習効果でよりハードなものが中国市場では受けると感じます。また、日本にはあまりないAIを生かした商品を中国で導入していくなど、現地の高い要求と変化の速さに対応して商品を展開していく必要があると感じています。

ーー海外で働くこと、日本で働くことで感じた違いはありますか?
そもそも「赴任」というのは現地の人から見ると、外国人が自分たちの上司になってマネジメントするという状況です。
現地の言葉を話せて、現地の事情を知っている社員の上に、それらを知らない外国人が立つため特殊な状況とも言えるかもしれません。そういった時に、彼らが不満を持たずに気持ちよく働けるためにはどうしたら良いか、そういったことを常に意識していました。これは、相手が台湾の人だから、中国の人だからなどは関係ありません。
もちろん、その国の人の性格や文化などもあるので、そこは意識するようにしていました。

今年3月に赴任を終え、日本へ帰国

ーー帰国後の現在、お仕事での中国との関わりはありますか?

現在は、以前から興味のあった著作権に関する仕事をしており、中国に関する仕事はしていません。
機会があれば中国語や赴任の経験を活かしていきたいと思っています。ただ会社で再び関わる可能性は低いと思うので、退職後などに再び中国に関わる仕事をしてみたいと思っています。

ーー本日は貴重なお話ありがとうございました。最後に中国と関わりたいと考える学生の方に向けてメッセージをお願いします。

私は40代で海外に行きましたが、若いうちにそのチャンスがあるならばそれは素晴らしいことだと思います。周りの駐在員の方の中には、20年前や30年前の中国を知っている人もいらっしゃり、早いうちにいくことでそういった長い歴史も自分の目で見て感じることができるのは羨ましいとも感じました。日本でも得られる経験は沢山ありますが、海外でしか積めないような経験もあり、それが新たなキャリアに繋がることもあります。私はもともと海外赴任を希望していたわけではありませんが、行きたいという思いがあるなら、それに向かって努力をすることが大切でしょう。それを見てくれる人がきっといるはずです。

また、「海外で仕事」と聞くと語学力を真っ先に考えるかもしれません。しかし、実際に経験して必ずしも語学力が一番に来ないと私は思います。語学力に関しては、現地の人には勝てません。中国語を勉強することはマイナスをゼロに戻すような行為です。それよりも、仕事で大切なこと、日本の仕事で身につけたこと、チームのまとめ方、といったことを持っているほうが現地の人から認めてもらえるのです。この順番は間違えてはいけません。

 

インタビュアー
中国語を勉強されていた姿が会社の人に伝わり、赴任に繋がったという話が印象的でした。自分が好きなこと、興味のあることを一生懸命やれば、きっと見ている人がいて自分の目指す方向に繋がることもあるのですね。
本日はありがとうございました!
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東京都日中友好協会では、中国人との交流やボランティア活動に興味をお持ちの方、日中友好を促進したい方、中国の文化・歴史などに関心のある方などの入会を幅広く募集しています。
当協会に参加していただくと、企画やイベントへの参加、中国人との交流など、様々な活動を行えます。
また、当協会は青年委員会の活動もあり、中国に関心のある学生の方も大募集中です。
詳しくは、当協会のボームページhttps://www.jcfa-tyo.net/をご覧ください!
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