2018年1月25日の中国を読み解くは、工藤哲氏(毎日新聞社前北京特派員)でした。氏は1999年から2011年まで、16年間北京に滞在「現場主義」
を基本に取材を行ってきました。当日は映像を中心に「変わりゆく中国」の実態の報告でした。
2013年のPM2.5などの大気汚染について駐日大使館から「汚染物質が体内に入ると体外に出ない」と言う話があり、全員マスクを着けるという事態になった。中国国民の大気汚染に対する意識は薄くマスクをする人はほとんどいなかった。その後、大気汚染に対する規制が行われるようになって、国民意識もかわり大気汚染もかなり改善されてきた。最近は青空の日もある。中国では「水は金を出して飲むもの」と言う意識が強く、水を配達してもらう人もいる。
中国では、報道室があり毎日午後3時から報道官の華春榮さんの記者会見がある。世界のメディアはそこに集まる。少ない時は20人位、多い時には100人以上の報道陣が集まる。自国に関係ある事項をテレビや新聞は報道する。首相は年に1回しか、記者会しない。政府関係者の取材は難しい。先の共産党大会などでは、記者席から政府関係者の微妙な表情などを捉えて記事にすることもある。 2012年の尖閣問題の時は、なかなか厳しいものがあった。反日デモもあり、日本企業で働く中国人も厳しかった。日本のスーパーで働いている人は皆中国人であり、日本人はほとんどいない。
中国の地下鉄は、入場する時に荷物検査があり、朝のラッシュの時は長蛇の列になる。
メディアは、報道と宣伝の2種類ある。日本の場合は報道であり、出来事や話を伝えるのが基本である。中国の場合は政府の宣伝機関でとしてある。そうした目で見なければならない。中国について様々な本が発行されているが、多くの場合ネットで情報を得て本にしている。しかし記者は現場取材が基本であり、人の話しも実際に聞いて報道をするのが基本である。